小学校では十分に時間をかけること

中学生に教えていた経験から、どの学習事項が生徒にとって難しいかを熟知しており、彼らが難しいと感じる英語表現を小学生に教えるときには、より多くの時間数をかけるようにした。
例えば、誕生日が英語で言えるようになるには、まず月の名前、序数の使い方に慣れないといけないが、校区の中学校の英語教員に確認したところ、中学校ではその学習には2時間しか掛けられないとのことであった。
そこで、小学校のうちにより多くの時間をかけて「January」「February」といった音声に慣れ親しませることで、中学校に進んでからの子どもの負担を軽減し、英語の定着度も高まるようにした。
「英語ノート」を使った活動では、付属の教材CDにある聞き取り問題は難しすぎることが多い。そのため、文部科学省の指導案で指示されている2時限目にすぐ行なうではなく、子どもたちがこの単元にうんと習熟してから行うようにした。
このように十分時間をかけることで、ネイティブの速い発音のCDによる聞き取りにも、子どもは興味をもって意欲的にとりくむ事が可能になった。
また新出単語は、自作プリントを組み合わせることで、精選。表現も段階的に増やすように配列して、すべての子どもが授業についてこられるようにしている。
その結果、すべての子どもが着実に英語を理解し、最後のステップではその表現を使って自分のことが言えたという達成感を持つことができ、コミュニケーションを楽しむことができた。
「楽しい」→「わかる・できる」へ
子どもたちの興味をひきつけるきっかけとしてゲームは大変効果的ではあるが、遊びやゲームの楽しさに頼ってしまうと、「英語が楽しい」ではなく「ゲームが楽しい」という印象で終わってしまい、中学校の英語につながっていかない。
「楽しい」と思える活動を展開することで、外国語に対する興味や積極性が生まれ、「わかる・できる」授業を行うことで、外国語活動や人間関係づくりに対する自信が生まれ、「外国語が楽しい」という思いや、さらなる学習意欲につながっていく。