ストレスってなに?

ストレスは仕事の失敗や家庭での悩みなど、日常のさまざまな出来事がきっかけで発生します。このストレスを我慢して耐え続けると、やがて「疲れがとれない」「眠れない」「体がだるい」など、体に反応があらわれてきます。
このストレスを引き起こす原因を「ストレッサー」、引き起こされた心身の反応を「ストレス反応」といいます。この状態になると多くの人は、ストレッサーを解決するための「ストレス対処行動」をとり、問題を解決することでストレス反応はなくなります。しかし、ストレッサーが大きすぎたり、耐えられる限界を越えたりするとうつ病や不安障害、胃かいようなどのいわゆるストレス病を引き起こすことになるのです。

早めのストレス対処で病気予防
私たちはストレスを感じていても、それに負けまいと、つい無理をしがちです。しかし、あまり無理を続けていると、やがて疲れはててしまい、本格的な病気へと進行してしまいます。そうならないよう、体から発せられるSOSに早めに気づき、適切なストレス対処をすることが大切です。
ストレスの原因を解消する

ストレスの解消は、その原因を解決するのが早道です。まずストレスの原因を探り、解決のための問題点をノートなどに書き出して整理し、対策を立てます。もし、不明な点があっても一人で抱え込むことは禁物です。家族や職場の仲間などに相談しましょう。
人と話したり、相談したりすることはストレス軽減に大きな効果があります。さらに「この経験は後で必ず役に立つ」「大変だからやりがいがある」などのプラス思考で取り組みましょう。このストレッサーを解消する問題解決型のストレス対処行動は、心の病気予防に有効とされています。
このほか、「原因から少し離れてみる」、「問題の見方を変えてみる」など、状況に応じて対処することも大切です。
タイプ別ストレス対処法
自分の性格を知ることも、ストレスを軽くする方法です。ストレスを受けやすいタイプをあげてみましたので、チェックしてみてください。
きまじめタイプ
完全主義者で責任感が強く、一人で背負い込んでしまう。ストレス状態に陥りやすいタイプです。少しでもうまくいかないと、落ち込んでしまいます。
「できなかったこと」に目を向けるのではなく、「できたこと」に目を向けてみましょう。気づかなかった自分のよい面が見えてくるかも。
こうあるべきタイプ
自分の基準で行動するため、考え方に柔軟性を欠く。うまくいかないと自分の基準で「こうあるべき」と、自分や他人を批判してしまう。
心に余裕をもって、何ごとも断定的に決めつけないように。「この程度でもよい」と自分にも他人にも寛容を心がけましょう。
読みすぎタイプ
ある問題に直面すると、明確な根拠もないのに悲観的な結論を考えがち。
人の気持ちや物事を悪い方に憶測して、不安に陥いることがある。
悪い方に考えがとらわれたら、「本当にそうなるだろうか」など自分に問い直しましょう。悲観的な推測をやめることで心は楽に。
マイナス思考タイプ
自分のやっていることがマイナスに思え、努力や成果も認められないと感じやすい。物事のよい面を無視したり、軽視してしまうことがある。
自分を肯定的にとらえることで、喜びや意欲も増すでしょう。よいものを素直に受け止めることが大切です。
出典:中央労働災害防止協会「ストレスと上手につきあう」より改変
監修/横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター
センター長 山本晴義先生